「播種深度の違いによる生育差について」
どのような作物にも適正な播種深度があります。
ただ種を撒いておけば作物が採れるというわけではありません。一般的には種の大きさの2~3倍の深さが適正と言われいます。
今回はその定義を実証する為、小麦の播種深度を変えることにより、その後の有効茎歩合にどのような差が出るかを試験致しました。
- 播種日 11月20日
- 調査日 2月22日
- 左 側 播種深度が深い 地表からおよそ5~7cm
- 真ん中 播種深度が深い 地表からおよそ5cm(年内に麦踏をして鎮圧)
- 右 側 播種深度が浅い 地表からおよそ1~2cm
比べてみると一目瞭然!
播種深度が深いものに比べ、右側の浅いものの方が、明らかに元気よく育っています!
播種深度が深いと、地表に出て太陽の光をあびるまでに、体力を使い切ってしまい、有効茎数も確保出来ない状態になってしまっています。
画像中の下の3枚の画像が、前回調査日の25日後、3月18日時点(茎立期)ですが、その差が歴然としてきております。
こちらは、中段及び下段の画像が前回調査日の35日後、4月23日時点ですが、1つの種からの有効茎数=穂の数に圧倒的な差がつきました。(中段の画像)そして、下段の画像の赤丸の部分は遅れて出穂した、いわゆる「遅れっ穂」です。
播種深度が深いと「遅れっ穂」が出やすいことも判明しました。(遅れっ穂は適期収穫のズレや栄養の無効摂取等、様々な悪い影響を及ぼします)浅いものはどの穂も一斉出穂で健全な穂となり、収穫量でも他を圧倒しました。
こうのように、播種深度に意識を傾けることにより、その後の生育に、ひいては収穫量=収入にとても大きな差が出てくることを実感致しました。
今回の試験は小麦でしたが、他の作物でも同様な事が言えます。
- 種を撒く労力は同じです。
- 掛かる経費も同じです。
頭の片隅で少~し播種深度を意識するだけで、その後の管理労力も少なくなり、かつ、収穫量もアップします。是非、本日の種蒔きから意識してみて下さい!